よくある質問

医療事件の解決の流れはどのようになりますか?

解決に至るまでには,大きく分けて,

【聴き取り・記録の取得・調査】

【交渉受任(示談)】

【訴訟(和解または判決)】

という流れを経ます。

 

【聴き取り・記録の取得・調査】

  • 事情の聴き取り
     まず,最初にお電話やメール等でご連絡頂いたあと,弁護士が詳しいお話を伺います。
    その時点で,事案としてお引受けできない場合もありますが,医療過誤の可能性があるということになれば,さらに調査を進めることになります。
  • 調査
     調査にあたっては,医療記録の開示を求めたり,場合によっては証拠保全という手続を行います。それらの記録を踏まえて,記録の読み込みながら,事実関係の整理,医学文献の調査,協力医師への相談などを行って,事案として裁判においても戦えるものかどうかを検討していきます。
     調査の結果,残念ながらお引き受けできないこともあり,その場合にはこの時点で終了となることもあります。
  •  
  • 【交渉受任(示談)】
    • 交渉受任
       調査の結果,お引き受けできるという場合には,ここで正式に交渉の受任をします。
    • 相手との交渉
       相手の病院に対して,医学的な見地から検討した内容を記載して,過失(注意義務違反)と損害との因果関係があることを主張した書面を送付いたします。その際に併せて具体的な金額を算定して損害賠償請求を行う場合もありますが,ひとまず責任の有無について回答を求めることもあります。
       弁護士名での通知を送付すると,それに対して相手の病院はほとんどの場合には弁護士に依頼をして対応してきます。ごく例外的に相手の病院が直接対応することがありますが,その場合には話し合いにならないことが多いです。
       相手は病院内での検討を行いますが,医師の損害賠償責任保険に加入していますので,保険会社の顧問医から見解を得たり,医師会の保険の場合には医師会での審査が行われることになります。
    • 示談
       その結果,相手が責任があるという回答をしてきた場合には,そこで損害賠償額についての交渉がなされることになり,示談で解決する可能性が高くなります。もちろん,後遺障害の重さや損害賠償の金額の算定で争いがある場合には,それを理由に裁判になることもあります。
       一方,相手が責任がないと回答してきた場合には,患者側としては解決の手段が裁判以外にはなくなってしまいます。簡易裁判所の民事調停やADRの申立も考えられますが,責任がないという前提の場合には解決が困難なことが多く,結局訴訟を選択せざるを得なくなります。
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  • 【訴訟(和解または判決)】
    • 訴訟の受任
       相手の回答を踏まえて,訴訟で戦えると判断されば場合には,訴訟提起について受任することになります。
       ここで残念ながらご依頼を受けることができない場合もあります。
    • 訴訟上の和解
       裁判では,双方の主張を戦わせて,医師や家族の証人尋問を経て,判決に至るというのが通常の流れです。
       ただし,裁判では常に和解の話が出る可能性があります。裁判所から和解の打診を受けて検討するということが多く,タイミングとしては,書面で主張を戦わせたり意見書を出した頃,証人尋問が終わった頃というのが多いように思います。
       和解となればそこで裁判は終了します。
    • 判決
       残念ながら話し合いで解決できなかった場合には地方裁判所による判決がなされることになります。
       判決でははっきりと勝ち負けが決まります。
       双方が決められた期間内に控訴しなければ判決は確定し,ここで事件は終了することになりますが,いずれかが控訴した場合には高等裁判所で裁判が続くことになります。
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