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肝臓がんの見落としによる死亡案件につき約3500万円で示談

肝臓がんの可能性が高いことが指摘されていたにもかかわらず,その精査がなされることなく進行してしまったという事案です。
放射線科医や他科の医師の報告などは,診療録に記載があっても,主治医が見落とすことがあり得ます。それを防ぐために様々な対策がなされていますが,いまだにそのようなミスはなくなりません。
人は忘れる動物ではありますが,人の命がかかっている医療においては許されないことになります。

癌の見落としの事案では,死亡との因果関係が争われることが多く,この件もその点が争点となりました。
死亡との因果関係というのは,仮に適切に発見されて治療していれば,結果が異なったのか,どの程度異なったのかという問題です。
この点については最高裁判例があり,実際に死亡した時点で生存していた可能性が高いといえれば因果関係が認められるものとされており,長期生存したかどうかは因果関係そのものの判断には影響を与えません(他の損害額には影響を与えます)。

この件は,弁護士として交渉に入ることで,当初の低額の提案から大幅に増額することができ,訴訟前の解決ができました。

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