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神戸地裁にて勝訴判決を得ました(賠償額2160万円・担当弁護士齋藤健太郎)

医療弁護士オンラインの弁護士齋藤健太郎が、神戸地方裁判所において勝訴判決を得ました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e2a37e0fd4e08f76605098c88784bc6850178aae
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検査で脊髄損傷、左脚に後遺症 県立西宮病院側に2160万円賠償命令 神戸地裁判決
配信
神戸新聞NEXT

 兵庫県立西宮病院で2018年、整形外科で診療を受けた県内の男性=当時(86)=が検査で腰椎間に針を刺した際に脊髄を損傷し、左脚まひなどの後遺障害を負ったのは同病院の男性医師の過失などが原因とし、運営する県に約3200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、神戸地裁は14日、医師の過失と説明義務違反を認め、約2160万円の支払いを命じた。 
 判決によると、男性は18年10月、腰や左脚の痛みで同病院を受診し、MRI検査で腰椎の圧迫骨折や脊柱管狭窄症と分かった。その後、右脚にも痛みが生じたため、医師は手術を計画。「ミエログラフィー」(脊髄造影)という検査で造影剤を注入する針を腰椎に刺したところ、男性は脊髄円すいの損傷による左脚まひなどの後遺症を負ったとされた。
 裁判では、脊髄損傷の危険性が高い腰椎の部位に針を刺した医師の過失や説明義務違反の有無などが争われた。

 天野智子裁判長は、脊椎外科の専門医の意見などから「ミエログラフィーの必要性と危険性との衡量や代替手段の有無等について熟慮することなく、その必要性についての判断を誤った」と説明。県側が病巣の特定に必要な検査だったなどとした主張を退け、過失を認めた。
 説明義務違反を巡っては、検査の事前説明が一般的な説明にとどまったなどとし、「リスク、代替手段の有無等を具体的に説明した上で検査を受けるのかを熟慮し判断する機会を改めて与える必要があった」などとした。

 同病院の担当者は判決後、「結果として後遺障害を招いたことについては病院として大変申し訳なく思っている。判決文を精査して今後の対応を検討したい」とコメントした。
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【補足説明】
事前に撮影されたMRIでL1/2の部位に脊髄円錐があることは明らかになっていました。
医師は、L2/3の穿刺が上手くいかなかった際、上記の点を理解していながらも、脊髄損傷リスクについて改めて説明することなく、L1/2の穿刺をしました。

本件では、MRI上、L3/4のヘルニアによる硬膜能の圧迫と、L4神経根所見がありましたので、あえてミエログラフィーをする必要性は高くなく、不要な検査であったと思われます。
また、せめて、L2/3がうまくいかず、L1/2で穿刺する際に、リスクを説明して同意を得るべきであったでしょう。患者さんは知らないうちに高リスクの検査を受けていたということになります。

手術や検査により、想定外の神経損傷、脊髄損傷が残存するという大変な被害に遭うことがあります。
その場合でも、病院側は、手術や検査の不可避な合併症であり、賠償義務はないなどと争ってくることが往々にしてあります。
早期に医療知識及び医療訴訟経験が豊富な弁護士に相談することが最も重要です。

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