医療関連裁判とは

医療事故

事実の聞き取り・医療記録の読み込みの重要性について

齋藤 健太郎
弁護士
齋藤 健太郎

《医学的知識は大切ですが・・・》

医療訴訟というと,どうしても医学的な知識が必要ということばかりが強調されていますが,実は,事実関係の聞き取りと,記録の読み込みの重要性も否定できません。

弁護士の仕事は,過去に起きたことについて,聞き取った事実や証拠から,ストーリーを組み立てて理解することが重要です。ドラマや小説のように最初から話ができあがっているわけではなく,限られた情報から事案を組みたてるということが不可欠であり,その能力をいつも鍛えています。

逆にいえば,医学的知識が豊富だとしても,そのような能力がなければ事件を扱うことはできません。

《わずか一つの記載が事件の帰趨を決めることも》

まずはご本人やご家族から十分にお話を聞いていくことが重要になります。もちろん,医学的には関係のないことも沢山含まれてきますが,そのなかに重要なヒントが隠れていることもあります。医師が十分な問診をしなかった事案であれば,本当の症状や経過は,本人・家族の記憶の中にだけあるのです。

そして,膨大な記録の中から,揺るがない事実を拾い上げて,ストーリーを組みたてることになります。解剖がなされていない事案では,何が起きたのか,死因は何なのかは,記録から理解していくしかありません。

医療記録は読み慣れていないと,どこが重要なのかわかりませんし,読み方もコツがあります。
また,何度も読み直していくうちに,決定的な記載を発見することもあります。不思議なことに最初は何でもないと思った記載が,実は事件の勝敗を決定するような記載だということもあります。

このように医療事件においては,事実の聞き取りと記録の読み込みは,決して侮ることのできない重要なものなのです。

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