腸閉塞の患者に下剤を服薬させた結果、敗血症げ原因で死亡:過失を認め1880万円で示談
石巻市立病院において、男性が死亡したのは医療ミスが原因と認め遺族におよそ1880万円を支払うことを明らかにしたとのことです。
左大腿骨付近の骨折で入院した市内の70代の男性に行ったCT検査で、大腸がんの疑いがあることが分かり、その後の内視鏡検査前の処置で、腸閉塞だったにもかかわらず下剤を服用させるなどした結果、男性は容体が急変し敗血症が原因で亡くなりました。
病院は、症状の確認が十分ではなく、医療行為も適切ではなかったとミスを認め、損害賠償として遺族におよそ1880万円を支払うことで合意し、開会中の6月定例議会に関連議案を提出したとのことでした。
腸閉塞の原因にもよりますが、基本的に腸閉塞の患者さんに下剤を投与すると腸の運動が活発となり、腸に穿孔を生じさせるリスクがあるため、禁忌とされています。
そのような危険性があるにもかかわらず、投与をしてしまったということで過失は明らかなケースだったのだと思われます。
もっとも1880万円という金額は死亡慰謝料のみの金額のようにも思われます。詳細が不明ですが、何らかの原因で減額された可能性があります。
投薬に関する過失はいまだに多くの相談を受けています。
禁忌薬の投与を防ぐための仕組みがあることが望ましいと思います。
電子カルテにおけるアラートなどはいまでもあるようですが、AIにより注意喚起がなされる時代が来るかもしれません。