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胃がんと誤診され全摘、高裁が賠償増額:病理医・医療法人・医師会に過失認定

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胃がんと誤診され全摘、高裁が賠償増額:病理医・医療法人・医師会に過失認定

熊本市の74歳女性が胃がんと誤診され、胃を全摘された件で、女性が熊本市医師会などに損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が福岡高裁であり、高裁は1審判決を変更し、約1640万円の賠償を命じた。

1審は病理医のみの過失を認めていたが、高裁は診断書の根拠不十分性を指摘し、病理医だけでなく、診断した医療法人や手術を行った医師会にも注意義務違反があったと判断し、連帯責任を認定。

医師会は「手術は必要だった」と反論している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/072d423a216c107f4a0c730160c05edeccae7945

この事件は、一審では、病理医のみの責任が認められました。
一審判決は先日入手して読みましたが、病理医は実のところ判断ミスをまともに争っておらず、病理診断に誤りがあったことは容易に認定できるケースであったように思います。

控訴審判決はまだ読めませんが、病理医のみならず、診断して他院に転送した医師や、手術を行った医師にも責任を認めたようです。
病理医の診断は相当な信頼度で扱われるため、それを疑うというのは通常は簡単ではないように思います。
どのような理屈で認めたのか判決文を検討して、いずれ一審判決と合わせてコメントしたいと思います。

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