医療関連裁判とは

医療事故

協力医への相談とそのあり方について

齋藤 健太郎
弁護士
齋藤 健太郎

《協力医への相談の必要性》

医療事件のみならず,医療関連裁判では,協力医への相談を欠かすことはできません。
いくら医療関連裁判を多くこなしていても,事件毎に問題点は異なりますので,必ず専門家への相談をしなければなりません。
相談をせずに,前に経験した事件の知識・経験や,文献や書籍から調べた知識だけで取り組むと,思わぬ落とし穴に落ちることもあります。やはり餅は餅屋ということになります。

《相談前の準備》

しかし,何でも闇雲に相談すれば良いというわけではありません。
協力医への相談の際には,以下のような準備をしなければ全く意味のないものになりかねません。

  • 記録を読み込んで事案と問題点の整理を行う。
  • 資料のうち重要な部分を協力医に提示できるように準備する。
  • 争点が何かをあらかじめ当たりをつけて,質問事項を準備する。
  • 事前にインターネットや基本的な書籍などで,基礎的な知識を入れておく。

 実際の相談の際にも,ただ漫然と話しを聞くのではなく,疑問があればしつこく聞いていかねばなりません。自分が納得しない限り,相手や裁判官を説得することは不可能だからです。

《協力医との良い関係》

協力医の先生には時間と労力をかけさせてしまい,大変恐縮ですが,協力して頂ける方は,少しでも医療が良い方向に向かえば良いという志をお持ちのことが多く,頭の下がる思いでいます。
そのような先生から,

「相談を受けていることで,とても勉強になる。患者さんへの説明も気をつけるようになった」

などと,たまに有り難い言葉をもらうこともあります。

私としては,これからも協力医の先生方と共に,本当に納得いく説明を求め,事案を突き詰めていきたいと考えています。

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